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2024.02.02

【企業の農業参入】福島県のトマト農場をインタビュー

新事業として農業参入に至った株式会社シーズ上台農場の所長である佐藤様にインタビューさせていただきました。

商品についてはこちら:SHハンディプロファインダープロファインダーNext80真呼吸

株式会社シーズ様のHPはこちら:https://www.seeds-g.net/corporate/corprate/

  • 目次
Q.貴社の事業について教えてください

A.株式会社シーズは建築関係の事業から始まり、現在では様々な事業に取り組んでいます。その中で主軸となっている事業が砕石や生コンクリート、盛土の製造販売です。そのほかには、チップやペレットの製造販売、不動産やガソリンスタンド、本屋などの事業にも取り組んでいます。

Q.幅広く事業に取り組まれている中で、新たな事業として農業を選んだ理由は何ですか?

A.上台工場では、ペレットの製造を行っています。ペレットとはストーブやボイラーの燃料などに利用される木質燃料のことです。上台工場にはガス化燃料装置が設置してあり、製造したペレットをガス化燃料装置に投入することでガスを発生させ、そのガスを用いてタービンを回し発電ができるようになっています。このようにして発電を行う際に、熱エネルギーが排出されるため、この熱エネルギーをどうにか使えないか考えていたところ、ハウスを利用した施設園芸に使えるのではないかという案が出ました。これが農業参入を考え始めた経緯です。

発電所
Q.農業参入に向けてまず何に取り組みましたか?

A.農業に関して全くの素人であったため、インターネットを利用した情報収集に非常に多くの時間をかけました。まず、栽培する作物を決めるため市場調査を行いました。当初はパプリカを栽培しようと考えていましたが、市場調査の結果からパプリカは9割が輸入品で、国産は1割程度の市場規模と分かったため、新規参入は厳しいと考え、作物をパプリカからトマトに変更しました。その後、トマトの栽培技術はどのようにして獲得できるのか、栽培開始までにどれくらい投資しなければならないのかといったノウハウを求め、引き続き情報収集を行いました。

Q.インターネットでの情報収集以外には何に取り組みましたか?

A. 多くの時間を割いたこともあり、インターネットを利用した情報収集である程度の情報は得られました。この情報収集を通じ、私たちは農業参入には栽培技術を身に付けることが最も重要だと考え、実際のトマト生産者に話を聞こうと近場~遠方までトマト生産ハウスを見学に回りました。そうして生産者の方を訪ねていく中で、誠和さんの名前を頻繁に聞き、トマトパーク(現:アグリステーション誠和)の存在を知りました。日本最大級のトマト生産ハウスであるトマトパークであれば、研修などを行っているのではないかと思い、お問い合わせをしたのが誠和さんとの出会いです。

トマトパーク
Q.誠和の研修制度を利用しようと思った理由は何ですか?

A.お問い合わせ後に1度トマトパークを見学させてもらった際、施設園芸における最先端の技術を目の当たりにし、この環境下で研修を受けたいと思ったからです。また、研修コースには1年コースと2年コースがありましたが、私は一企業の社員であり、家庭の事情も踏まえるとそのような長期は厳しいと思っておりましたが、私の環境を考慮し3か月の研修を設定してもらえたため、誠和さんの研修制度を利用することにしました。

Q.3か月という短い期間で栽培知識は身に付けられましたか?

A.研修は3か月間、誠和さんの研修寮に住み込みで行いました。マンツーマンという訳ではありませんでしたが、座学や実地研修などを通じ3か月という短い期間で相当な知識を身に付けることができました。座学に関しては池田英男先生をはじめ農業のプロに学ぶことができ、実地研修に関しては定植から収穫までの期間を経験することができたため、トマト栽培の流れを身に付けることができました。また研修終了後も、1年を通して月に2、3回ほど、現場にてOJTという形で知識や技術を学ぶことのできる機会を設けてもらいました。

Q.OJTはどうでしたか?

A.OJTはすごく良いと思います。座学だとあくまで机の上での勉強となりますが、OJTでは現場で花や実を見ながら、こういう状況の時はこのような対処が必要だという、いわば実地訓練と同じような体験ができます。実際の作業はしないけれど現場での質疑応答を行うことで、座学で学んだことをより体に覚えさせることができたと思います。

Q.研修を受けた後で、もう少し勉強したかった部分はありますか?

A.環境制御の部分です。私の場合、3か月という短い期間での研修ということもあり、現場での栽培管理作業がメインでした。その結果、私のような素人でも3か月でトマトを栽培できるようになりましたが、その一方で、環境制御の勉強が少し足りなかった印象です。しかしながら、仮に1年間研修を受けられていれば、環境制御の部分も完全にマスターできていたと思いますし、単発や短期間の研修を新たに設定してもらうことで、環境制御などの学びたい項目だけに特化した研修も組んでもらえるので問題ないと思います。

Q.ハウスを建設する際にこだわりはありましたか?

A.研修で利用したトマトパークと同じ設備を導入しようと思いましたが、建設予定の土地が決まっており、施設面積がトマトパークよりも大幅に小さかったため、費用対効果を考えると設備を変えなければならないと思いました。誠和さんでの研修ではロックウールとSHガターDuoを用いた栽培設備でしたが、今回の建設面積および軒高を考慮し、また東京で樽システムを導入して成功している生産者の話を聞いたこともあり、この規模では樽が良いと思い栽培設備は樽を導入しました。また、トマトパークでは環境制御器が導入されており各ハウス内設備が自動で制御されていたため、今回建設するハウスに環境制御器としてNext80を導入しました。

※誠和は、お客様の状況に合わせた企画・提案が可能です。

Q.営農開始後に苦労したことはありますか?

A.これは間違いなく販路の面です。研修経験を活かしトマトを作ることはできましたが、今度はそれを売らなければならないのです。広く売るためにはコミュニティを作る必要があり、色々な人と会話しなければなりませんでしたが、時には味がなかったなどと厳しい言葉を浴びせられることもありました。一方で、私の良かった点としては、株式会社シーズの事業でガソリンスタンドのSS業や、本屋の事業などに取り組んでいたことです。これにより、ガソリンスタンドや本屋でトマトを販売してもらうことができ、それもあって少しずつ販路が見つかっていきました。

Q.今後の展望はありますか?

A.販路を拡大していきたいのはあります。しかし、拡大するには現状のハウスでは小さすぎます。これが現時点での課題です。そのため、ハウス増設による規模拡大と、販路開拓に向けた営業の両方を同時並行で検討していく必要があります。

上台農場では、トマト生産ハウスの隣にスッポン養殖ハウスが建設されており、トマトの生産と並行してスッポンの養殖を行っています。これはいわゆるアクアポニックスです。スッポンの養殖による排水をトマト生産ハウスにパイプで通し、ろ過装置を通じてトマトの灌水に利用します。さらに、トマトを生産していく中で出てきた残渣をスッポンの餌に混ぜ込むことでスッポンはそれを食べます。上台農場では、このようにして循環型農業に取り組んでいます。

誠和ではハウス建設、営農に関する研修、資材導入、販売のサポートまで一貫してご提案することができます。株式会社シーズ様のように弊社施設の見学や、農業を利用した資源循環の取り組みについてもご相談を受け付けて参ります。農業参入をお考えの方はお気軽にお問い合わせください。

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